2歳から毎日のように「イヤイヤ」を言い続けてきた次男。
何を言っても「イヤイヤ」
車に乗るのも「イヤイヤ」
シートベルトするのも「イヤイヤ」
靴の左右が反対で注意すると「イヤイヤ」
じゃあ反対のままでいいよって言えば「イヤイヤ」
「イヤイヤ」「イヤイヤ」「イヤイヤ」「イヤイヤ」
ああーーーー!!
叫びたくなります。
これが魔の2歳児のイヤイヤ期です。
次男への愛情
もちろん夫婦共々、次男を愛しています。
愛しています。
愛していますが、何年間も毎日あの泣き声(叫び声)を聞けば、部屋に閉じこもって聞こえない様に耳をふさぎ、全てを投出したくなるほどの最恐のイヤイヤ期。
これは誰に訴えても、実際に最恐の子の親にならないとわからない辛さ。
信頼できる優しい二児の親のである上司に相談しても「子どもって泣きながら成長するものよ。」なんて言われたり。
うちも同じ感じで、あんな事やこんな事あったのよって言われます。
大体が数年間で1番のイベントを大きく話す人です。
我が家はその他の家庭の数年間で1番の『イヤイヤ』が毎日のように続くのです。
親の愛が足りないと書いてある『子育て』に関する本を読んでは余計悩んだり凹んだりしました。
保育園で預かってもらえるので、仕事中にほっと出来るでしょって思われがちですが、そんな最恐次男は保育園でもおとなしくしているわけではありません。
おもちゃの取り合いで友だちのことをひっかいてしまったり、好きな先生を独占しようとケンカしたりと毎日迎えに行くたびに、先生からの報告を聞くのが怖かったです。
そんなある日、最恐次男が5歳を過ぎたころに迎えに行くと、保育園の先生に呼びとめられました。
それは恐る恐るとても申し訳なさそうに、あるいは、悲しそうに。
はっきりと覚えていないのはショックが大きかったからだと思います。
先生から出た言葉は『発達障害』の可能性。
「発達障害」??「障害」ってなに??
はじめて『発達障害』というコトバを聞きました。
1度市役所に申し込んで臨床心理士の先生のところで相談されてはどうでしょうか?みたいな話だったと思います。
どこのクラスにも必ず1人はいる暴れん坊。
普段は人一倍うるさいのに、発表会や運動会では舞台の端っこで先生に抱っこされてイヤイヤ泣いている子。
それがうちの次男です。
『発達障害』
コトバが深く心にささりました。
転職
僕はその時に大きな決断をします。
それは転職です。
次男は最恐イヤイヤ期が延長中。
妻は当時末の娘の妊娠中で切迫流産の危険を指摘されていました。
僕の職場では次の月が有給発生月ということもあり法律上は2ヶ月休みをとれるが、そんなに休ませてもらえずはずもなく。八方塞がりでした。
勇気をだして転職しました。
新しい職場は自宅から自転車で30分。
連休がとれて定時に帰れます。
次男や僕の家族との時間を大切にするために、出世と昇給はあきらめました。
新しい職場では毎年新入職のスタッフは出し物で芸をしなくてはなりません。
恥ずかしくてめちゃくちゃ嫌でしたが、次男もこんなに嫌な気持ちだったのだろうと自宅でも練習して、ぴちぴちの短パンに短い黄色のTシャツを着て頑張って『恋ダンス』踊りました。
次男の発表会
次男は運動会でも発表会でも進級時の名前を呼ばれてもお返事も何にもしない子です。
長男はなんでも覚えるのが早くて、発表会や運動会などのイベントに行くのが楽しみでした。舞台で先生に抱っこされている次男は、ママを見た瞬間に「ママがいい!!」と泣きわめいてみんなの発表会の邪魔者になってしまいます。
もうおじいちゃんおばあちゃんを誘うこともなく、むこうからも話題にのぼることもなくなっていました。
そんな次男の5歳になった発表会当日。
「今日は発表会だから○○のかっこいいところ見せてね」
「パパもママも○○のダンス楽しみにしているね。」
「終わったらハッピーセット食べようね。」
とか言いながら会場に手をつないで向かいました。
次男を先生に預けて席に座ります。僕たち夫婦の席はもちろん端です。真ん中にはとても座れません。
端っこで僕たち夫婦は「もし今日も先生に抱っこされてても、たくさん褒めてあげようね。」なんて言いながら始まるのを待っていました。
いよいよ本番です。
幕が上がりかわいい音楽が流れてきました。
子どもたちはペンギンの衣装に身を包み2列に整列しています。
♪飛べないペンギン、海をおよぐ~♪
♪まるで~空を 飛んでるみたい~♪
…
…
キョロキョロと左右の端を探します。
いない。
次男はいません。先生もいません。
・・・そっか。
僕は妻に微笑みながら
「今日は、ついに舞台にも出て来れなかったんだね。」
なんて言ったら妻が、
「あっ!!」
「いた!!真ん中で踊ってる!!」
びっくり仰天です。僕たち夫婦は端しか見る癖がなかったのです。
最初から舞台の中央で踊っていたのです。今まで全く舞台に立つことも返事もすることもなかった次男が、誰よりも大きな声でこっちを見ながら歌も歌っているのです。
必至にカメラを構え何枚も何枚も写真を撮りました。
目がにじみ手も身体も震えてピントが合わせられませんでした。
まとめ
それからの次男は相変わらずイヤイヤ期延長中でしたが、ゆるやかなカーブを描いて落ち着いてきているようです。
末の娘も無事に生まれてお兄ちゃんになりました。
今でも次男ペンギンが空を飛んでいるように踊っているのがはっきりと目に浮かびます。
イヤイヤ絶頂期は気が狂いそうなほどでしたが、なんとか乗り切れたようです。
やまない雨はないし、明けない夜もないですが、そんなこと信じられないのが長年続くイヤイヤ期です。
もしかしたら今あなたがイヤイヤ期の子どもに悩んでいるなら、たくさん本を読んで、たくさん人に相談してください。
子どもはそれぞれ個性がありますが、誰かがあなたの心を軽くしてくれます。
せめて僕にでも相談してください。