あなたは自分の使っているキーボードの規格をご存知ですか?
何も考えずに日本語印字のJIS規格のキーボードを使っている人もいると思います。JIS規格のキーボードとはつまり日本仕様です。キーボードに「ひらがな」が書いてあればJIS規格のキーボードです。実際に僕は今まで当然のように、MacBookを購入する時、JIS規格のモデルを購入していました。
僕は文章を書くことを生業として生きていく事を目標にしています。そのために一生使えるキーボードを新調しようと心に決めました。出来るだけ同じ物で文字を入力する事が重要だと考えたからです。
なぜならキーボードは、僕が文章を書く上で自分の身体が触れる唯一の物だからです。昨今の音声入力も精度がかなり上がってきましたが、僕はキーボードをパタパタと叩きながら頭に浮かんだ言葉を入力する事が好きです。
US規格キーボードとJIS規格キーボードの違いを考える時に大事なことは、1つの基準を設けてそこからの定点観測を基に考えていく事が違いを明確にする事につながります。
今回は僕が最終的僕がおすすめしたいUSキーボードがJIS規格キーボードに対してどのようなメリット、デメリットがあるのかを基準として考えていこうと思います。
USキーボードの5つのメリット
US規格のキーボードの5つのメリットを紹介。
- 見た目がシンプルで美しい
- 「」など似た記号が使いやすい
- キーの数が少ない
- ホームポジションが中央より
- 「Enter」「Delete」が指から近い
見た目がシンプルで美しい

US規格のキーボードは「見た目がシンプルで美しい」とよく言われています。これだけの理由でUSキーボードを選ぶ人がいるほどJIS規格のキーボードとは違います。もっとも大きな違いは「ひらがな」が刻印されていない事です。※JIS規格キーボードで「ひらがな」が刻印されていない物もあります。
またUSキーボードには1つのキーに2つまでしかアルファベットや記号が刻印されていない事がほとんどですので、最高で4つも刻印されているJIS規格のキーボードを比べると、どのキーを使えばどんな文字や記号が入力されるかが一目瞭然。
「」など似た記号が使いやすい

またUS配列のキーボードとJIS規格のキーボードの違いは記号の位置が違う事です。
「Shift」を押しながら「2」を押した時に「@」が出たら、それはUS規格のキーボードです。
また「:」や「;」。「’」「”」のように同じキーで似たような記号を使う事ができます。
キーの数が少ない
US規格のキーボードはキーの数が少ない事が多いです。僕がおすすめしているHHKB Professional HYBRID Type-Sも英語配列(60個)と日本語配列(69個)で、キーの数が英語配列の方が9個少ないです。
これをメリットととるかデメリットととるかは各々の考え方次第ですが、僕にとっては最小限のキーでショートカットキーを駆使して入力する事で非常に効率よく仕事が出来るようになりました。
キーの数が少ないということは、ホームポジションから手を話すことなく、様々なキーを押せるということです。完全に画面入力している文字に集中できるメリットがあります。
※そのためにはブラインドタッチ(タッチタイピング)を完璧にする必要があります。
ホームポジションが中央より

US規格のキーボードの大きな利点のひとつは、ホームポジションが中央に寄っている事。
ホームポジションとはブラインドタッチ(タッチタイピング)をする時に大切な指の定位置のことです。
ホームポジションが中央にあれば、どのキーにも最小限の動きでキーを押す事ができます。先ほどにも書きましたが、ホームポジションを崩さずに文章を書く事が自分の文章に集中するために必要な行為。
キーボードの中心に手を置き、まるでピアニストのように自由自在にキーを叩くためにホームポジションが中央に寄っていることは役に立ってくれるでしょう。
「Enter」「Delete」が指から近い

僕がもっともUS規格のキーボードを好む理由は「Enter」と「Delete」キーが右手の小指でさっと押せる位置にあるからです。
これが全てだと言ってもいいくらい気に入って使っています。
キーボードを使って文章を執筆している時にタイプミスをして文章を消去したり、「Enter」を押したりすることはとてもたくさんあります。
その2つのキーを押す時に右手の小指で最小限の動きで押せることは今後数年、十数年役に立つはず。
少しでもタイプミスを減らし、文章に集中するためにも「Enter」と「Delete」の配置とサイズに拘りました。
USキーボードのデメリット
もちろんUS規格のキーボードにもどんなに完璧に見える物でも欠点があるように、デメリットはあります。
それは
- 日本語ー英語の入力切り替えが「command」+「space」
- かな入力が出来ない(しにくい)
- 「Enter」小さい
- 職場やネットカフェなど、JIS規格のキーボードが圧倒的なシェア
などです。
日本語ー英語の入力切り替えが「command」+「space」
US規格のキーボードは日本人のために作られた物ではありません。ですので、もちろんJIS規格のキーボードのように1つのキーで入力切り替えが出来なくなっています。
JIS規格のキーボードの場合は「Space」キーの左隣に「英数」、右隣に「かな」の2つのキーがあります。このキーを押せば入力の切り替えが簡単に行えます。
僕がJIS規格のキーボードを使っていた時には、入力前に無意識に「かな」キーを押して入力を初めていました。それは、入力をはじめた時に半角英語で入力されるのを避けるためです。
最初に「かな」を押せば、入力モードが半角英語であっても、日本語入力であったとしても、必ず日本語で入力されるからです。しかし、US規格のキーボードは独立した「英数」「かな」キーはなく、「command」+「space」で入力切り替えが行える仕組みです。
ですので、最初に「command」+「space」を押したら、日本語入力だった場合には半角英語入力になり、半角英語入力だった場合は日本語入力に切り替わります。
ですので、必ず確認しながらの作業になってしまいます。
しかし、ブラインドタッチ(タッチタイピング)を習得してからは、常に画面を見ながらキーをタイプするようになったので、しばらく文章を入力して画面を見てみると、全て半角英語で入力されていたという失望に襲われることはなりました。
かな入力が出来ない(しにくい)
US規格のキーボードは当然ながら英語圏の人にむけて作られていますので、かな入力は出来ません。
もちろんアプリやキー変換のソフトを使えばできることは出来ますが、そこまでする人はかなり少ないでしょう。
僕も海外の友人とのやりとりなどで、英語を使う機会がなければ「かな入力」を覚えたかもしれません。今更ローマ字入力からは変更する手間を考えるとメリットは少なく魅力は感じませんが、今後日本で日本人にむけて日本語で文章を書きたいと考えているのなら「かな入力」を覚えるのもありかなぁと思ってはいます。
どうしてもローマ字入力だと、母音以外の文字は2回キーを押さないと入力できません。しかし、「かな」入力なら1つのキーを押せば1つの文字を入力できます。例えば「か」と入力するためには「K」を「A」と2つのキーを順番に押す必要がありますが、日本語入力では「か」キーを1度タイプすれば入力できます。
どう考えても「かな」入力の方が効率が良く文字を入力する事ができます。
しかし、今後はAIが発達し音声入力や新たな入力方法(脳波を読み取って自動で入力できる装置など)が開発されるでしょうから。キーボードを使って入力を続けている人は、そこまでこだわらずにい入力しやすい方法で入力を続けるのがいいかなぁと考えています。もちろん個人の見解。
「Enter」小さい
US規格のキーボードのメリットでも「Enter」キーの場所とサイズについて書きましたが、JIS規格のキーボードの「Enter」に比べるとサイズが小さい事が気になる人も多いと想像します。
僕以前は文章の入力が全て終了した時には「Enter」ボタンをダンッと押したりしていました。強く叩く事で、仕事終わりのピリオドを打つように「Enter」を押す人には不向きかもしれません。
僕は今では右手の小指でそっとピリオドを打つように「Enter」を押すので気にはなりませんが。
職場やネットカフェなど、JIS規格のキーボードが圧倒的なシェア
デメリットをあげる時にもっとも考えられたのが、JIS規格の圧倒的なシェア。
家電製品の売り場で売られているノートパソコンはほぼ100%JIS規格のキーボードが搭載されているモデルですし、ネットカフェなどでもJIS規格のキーボードしかないのが現状。
そうしたところでキーボードを叩くと違和感を覚え打ち辛く感じるかもしれません。
しかし弘法も筆を選ばずというように、優れた打ち手は特にJIS規格のキーボードでもUS規格のキーボードでも瞬時に使い分ける事ができるようです。
絶対にUSキーボードでしか入力しないんだと考えるのではなく、今までJIS規格のキーボードを使用した事があれば、特に関係なく入力できるはずです。
まとめ
US規格とJIS規格のキーボードの違いについて紹介しました。
もしあなたが毎日キーボードを使ってローマ字入力で文章を書いているなら、US規格のキーボードをおすすめします。
ホームポジションが中央寄りで最小限の動作で「Enter」や「BS」を押せるのは魅力。
両方のキーボードを比較してぜひ自分にとって最高のキーボードを見つけてください。
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