あなたはどんな方法で本を読んでいますか?普通に本屋さんで本を買ってきて読んでいる人もいるでしょうし、電子書籍で読んでいる人もいるでしょう。
僕が今もっともおすすめしている本の読み方はオーディオブックで本を読む(聴く)事です。
本を耳で聴く事で新しい読書体験が可能性を拡げてくれることを感じます。オーディオブックの何がそこまでおすすめなのか、メリット・デメリットと一緒に紹介します。
オーディオブックをおすすめ。メリット・デメリット
オーディオブックとは本を朗読してくれるサービスのことです。近年の電子書籍化と同じように、最近はじまったサービスだと思われているかもしれませんが、実はかなり古くからあるサービス。
僕が初めてオーディオブックを聴いたのは、今から30年以上前になります。まだ小学校にも入学していない小さな子どもの頃で、車の中で『イソップ物語』や『日本昔話』みたいな物語をカセットテープで聴いていました。
子どもの想像力を鍛えようと母親が考えて車の中で聴かせてくれていたようです。想像力は鍛えられたかはわかりませんが、今でも聴いていた内容は覚えています。
オーディオブックのメリット
僕が考えるオーディオブックには4つのメリットがあります。
- 何かの作業をしながら本を読める(聴ける)
- 眼が疲れない
- スマホで簡単に読める聴ける
- 文章の流れが感じられる
1.何かの作業をしながら本を読める(聴ける)
オーディオブックの優れている点は何かの作業をしながらでも本を読む事ができるという事です。僕は毎日通勤に自転車を使っているのですが、30分ほどかかります。
なかなか毎日往復1時間の自転車通勤は辛い時もありますが、オーディオブックで本を聴きながらだと不思議と疲れは半減します。もちろん身体に必要な運動はオーディオブックを聴いているからと言って効果が半減することはありません。※自転車でイヤホンで音楽やオーディオブックを聴くためには対策が必要。詳しくはこちらの記事で紹介しています。
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主婦の方でしたら、掃除や洗濯などの家事をしながら本を聴くこともできます。今まで苦手だったはずの家事の時間が読書をする好きな学びの時間に変わります。
特に今は自動掃除機に掃除を任せたりしているかも知れませんが、それでも床に物が落ちていたら拾って元の場所に戻さなくてはなりません。そんな時でもオーディオブックを聴きながら片付けをしていると、あっという間に感じられます。
ステーブンキングも長距離の車移動の時はオーディオブックを聴いて走っていると自らの著書で語っています。
2.眼が疲れない
老眼にならない人はいないと言われています。
眼が元気な若いうちにたくさんの本を読んでおけばいいのでしょうが、オーディオブックを聴くことで眼が丈夫でなくても本を読む事ができます。
眼を瞑っていても本の朗読をスピーカーやイヤホンから流しておけば本を読む(聴く)事ができます。
スマホで簡単に読める(聴ける)
オーディオブックは電子書籍の一種。スマホに専用のアプリをダウンロードして簡単に持ち歩けるので、いつでも簡単に読む(聴く)事ができます。
ちょっとした待ち時間や車の運転中などでも聴く事が可能です。
3.文章の流れが感じられる
文章を朗読で聴く事、文章の流れを直に感じる事ができます。文章を読む時に頭の中で次の文章を予想して読んでしまう事があるかと思いますが、オーディオブックの場合は文字通り1文字1文字を朗読してくれるので、作家が大切にしている文章流れをそのまま感じる事ができます。
特におすすめは1人称で語られる物語。※1人称とは「僕は〜」とか「私は〜」と1人の主人公の言葉で語られる物語。
ノーベル文学賞を受賞したカズオ イシグロ著『わたしを離さないで』はオーディオブックで読む(聴く)とまるで主人公のキャシーの声がそのまま語りかけてくるような錯覚に襲われます。
オーディオブックで読む(聴く)ことでカズオ イシグロ氏の美しい文体を感じる事ができます。
オーディオブックのデメリット
全ての物事には光があれば影もあります。僕が考えるオーディオブックのデメリットは6つ存在します。
- 速読には向かない
- ページ戻したり気になる箇所を付箋しにくい
- 図や写真はPDFなど画面で見るしかない
- 全ての本がオーディオブックになっているわけではない
- オーディオブックは値段が高い
- 古本などのシステムがない
- 朗読者は選べない
1.速読には向かない
オーディオブックは速読には向きません。僕には関係のない話なのですが、本をパラパラめくっただけで読める速読の達人という方がおられるようです。本のページをスキャンするように読んでいくのでしょうか?僕には想像もできない世界。
もう何年もオーディオブックを毎日聴きながら生活をしていますが、2倍速が僕にとってちょうどいい速度でした。
もっともっと早くたくさん本を読みたい人には音読は焦ったく感じるかも知れません。
2.ページ戻したり気になる箇所を付箋しにくい
オーディオブックで本を読む(聴く)メリットに、ながら読み(聴き)ができることを書きましたが、オーディオブックを再生しはじめると基本的にスマホは触りません。
ずっと本の朗読を流しっぱなしになります。特に自転車に乗っている時や家事をしている時なんかは、本だけに集中しているわけではありませんので、ふと本の中で気になった箇所に戻って聴いたり、あとでもう1度聴こうと思ってもどこかわからなくなることもあります。
僕はオーディオブックで本を読む(聴く)時にはリラックスして作業している事が多いので、一字一句逃さずに聴くぞ!!とは思っていません。そういった場合には普通の本を購入するのが良さそうです。
3.図や写真は画面でみるしかない
オーディオブックは本の文字を朗読してくれるサービスであるので、写真はグラフや図は読むことができません。
PDF形式などで電子書籍と同じようにパソコンやスマートフォンの画面で表示して見るしかありません。
もちろん写真や図が重要な本はオーディオブックになっていないことがほとんどです。(もし写真集をオーディオブックにして発売したらクレームが殺到して返品の嵐がまきおこるでしょう)
4.全ての本がオーディオブックになっているわけではない
また僕にとって大きな問題はオーディオブックの品揃えの悪さです。ただでさえ日本は電子書籍化が遅れている国。とある本が発売されたとしても同時に電子書籍も発売されることはごく少数の例外を除いてはありません。
さらにオーディオブックになる本は少数。オーディオブックは作る手間や経費が余計にかかるうえに、商売として成り立つかどうか?売れるかどうか?がわからないので、どうしても売れる見込みのある、すでにベストセラーの商品が中心となってランナップされています。
逆の言い方をすればオーディオブックにまでなっている本はある程度世間的に評価が高い有益な本ということになるのかもしれませんが。
5.オーディオブックは値段が高い

オーディオブックは値段が普通の本や電子書籍よりも値段が高くなります。本を朗読して録音しなくてはいけません。
誰が朗読してもいいのではなく、聞きやすい声の方が人気です。
アニメの声優がそのアニメの本を朗読している物もあります。もちろん朗読者の方にも印税が支払われます。
オーディオブックを作るためには本を作る以上にたくさんの手間や時間や人の手がくわえられているので、値段があがるようです。
だからといって普通の本を印刷して輸送して店頭に並べる作業に比べると、システムさえ出来てしまえば1度録音さえすればいいので、格段に効率がいいと思いますが・・・。
6.古本などのシステムがない
紙の本のように古本を売ったり買ったりできないのも電子書籍と同じようにオーディオブックのデメリットになります。
昔の文庫本などは1冊100円とか80円とかで売っていたりしますが、オーディオブックを含む電子書籍の市場では古本という概念がまだ存在しません。将来的にデータを売ったり買ったりする時代が来るかも知れませんが、コピー商品との差別化が難しくまだまだ先の話になるでしょう。
2020年現在では古本などのシステムがない電子書籍やオーディオブックは高価な贅沢品と言えるかも知れません。
7.朗読者は選べない
残念ながら朗読者は選ぶ事ができません。基本的にひとつのオーディオブックサービスで1冊の本をオーディオブックにする場合に朗読者は1人しか用意されません。
何人もの朗読者を用意して僕たちが好みの声を選べるようになるにはもう少し時間がかかりそう。声をデジタルで録音して感情表現までAIでコントロールできるようになれば解決するかも知れませんが、今は朗読者という1人の人間が朗読している声を録音している音声が販売されています。
もしあなたが聴きたいオーディオブックの朗読者の声が気に入らなかったとしたら、違う会社でその本のオーディオブックが販売されていれば違う朗読者で録音されているはずです。しかし、できれば会社は1社に絞っておくほうが管理が簡単ですので、僕は声についてはある程度我慢しています。
まとめ
オーディオブックをおすすめするためにメリット・デメリットを紹介しました。
家事をしながらや自転車通勤などの隙間時間にも読書をする事で、1日の楽しい時間が増えました。
もちろんメリットばかりではありませんが、デメリット以上の効果がありました。耳で本を読む(聴く)。
はじめてみませんか?
追伸
オーディオブックをはじめる前にAmazonの無料サンプルで試し聴きをする事ができます。最初の1月は無料で1冊オーディオブックがもらえます。もしオーディオブックが合わないならすぐに解約すればお金はかかりません。しかも最初に無料で手に入れた本はそのまま手元に置いておけます。
この記事でもおすすめしたノーベル賞作家カズオ イシグロ著『わたしを離さないで』をぜひ試してみてください。